Vol.1 ローカルなスーパーマーケットは地域に根ざすことで進化します

株式会社シジシージャパン取締役社長 森田 隆夫(もりた たかお)
昭和27年2月24日、新潟県出身。
【職歴】    
昭和50年4月
平成 元年3月
2年5月
12年3月
12年5月
14年5月
17年6月
18年5月
19年3月
19年6月
  株式会社シジシージャパン入社 菓子部、食品部を担当
株式会社シジシージャパン 商品統括本部洋日配食品部課長
取締役 営業本部洋日配食品部部長
取締役 商品本部本部長
常務取締役 商品本部本部長
専務取締役 商品本部本部長
専務取締役 管理本部本部長
取締役副社長 管理本部本部長
取締役副社長 営業管掌役員
代表取締役社長 現在に至る

その地域に住む生活者の視点を持たずに、これまでの日本の流通業はアメリカ型をモデルに発展してきました。

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- まず、日本の流通業の現状について聞かせてください。
今、食品業界は、製、配、販の3層すべての段階で、急速に再編、集約化が進行しています。 世界的に見て、流通先進国である欧米では、既にこのドラスティックな淘汰再編の最終局面を迎えており、業界における各プレーヤーのポジションニングは明確になりつつあります。
欧米における流通業界の地殻変動の過程で注視すべき点は、再編の発火点は、小売業界にあったという事です。大手小売チェーンが台頭し、強大な規模を背景にした条件交渉に対して、製(メーカーなど)、配(卸)も、それに拮抗できる規模を追求せざるを得なかった。さらに日本においては、グローバル化が進む中、外資の進出、M&Aの脅威も大きな圧力となっています。
この構図の中で、日本の食品小売業界も、さまざまな形での合従連衡(買収・合併・提携など)が加速し、近い将来、5大チェーンぐらいに集約(寡占化)されるのではないかと認識しています。
今は、まさに戦国時代、熾烈な陣取り合戦の最中で、まだまだ大手チェーンの新規出店意欲も強く、オーバーストアが常態化し、優勝劣敗の生き残り競争が繰り広げられています。
- その要因は何だったのでしょうか?
流通業の発展には2つのタイプがあります。ヨーロッパ型とアメリカ型。ヨーロッパ型は、タウンマネジメント主導です。街の景観、便利さ、安心・安全をベースを考えられるので出店規制があります。そのため、新規出店は難しい。できることは5年に一度程度で店舗をフルモデルチェンジすること。適者生存というか、スーパーマーケットの店舗数にほぼ変化はありません。一方、アメリカ型は郊外にショッピングセンターを拡大し、明確な商業立地を作り上げました。当然、そこではショッピングセンター同士の激しい戦いがあります。日本は、どちらかといえばアメリカ型。ただ、その地域に住む生活者の視点がありませんでした。ビジネスモデルだけを取り入れて、生活者や社会のインフラ機能よりも企業規模を拡大するばかり意識してしまいました。それが、現在の現象を生み出した要因のひとつといえます。
- そんな時代の中でCGCグループの今後についてどのように考えていますか?
まず、予想される寡占市場の中で、生き残った5大チェーンの一角に存在することが最優先されます。
そのためには、加盟企業の総年商で4兆円、日本の全食料品売上高の10%のシェアを確保する必要があります。この10%のシェアを確保しないと大手食品NB(ナショナルブランド)メーカーとの交渉において、他の大手チェーンの後塵を拝してしまう、つまり、生き残りのクリティカル・マスと捉えています。逆にNBおよびPB商品で大手チェーンに拮抗できれば、加盟企業各社が得意とする大手には到底真似できない地域密着の営業活動により、確実なアドバンテージを取れます。
長年、地域の食生活を支えて来た加盟企業(ローカルスーパーマーケット)が生き残り、食文化を継承しながら、生活者の安全と健康と心豊かな暮らしに貢献していくことが、私たちのミッションだと考えています。

それぞれの地域に残る食文化を継承しながら全国規模で商品活動を行う、これがシジシージャパンの強みです。

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- 協業組織といっても全体的な規模でみると、大手流通チェーンに似通っていると思われますが。
取り組んでいる中身が全く異なります。それぞれの地域に根ざした取り組みは、大手流通チェーンではなかなか実現できないことです。チェーンストアは、画一的なオペレーションで運営されるからです。アメリカのウォルマートはそれを的確に行い、世界一の小売企業に成長しました。どこにいっても商品を並べる場所から配置方法まで一緒です。ただ、この手法では選択肢はこれだけです。的確に画一オペレーションを推進していかなければチェーンストアは規模を拡大できません。その中では、地域に合わせることが難しいわけです。
- 地域に根ざした取り組みとは、どういったものなのでしょうか?
地域の食文化への的確な対応です。日本の食文化を分解していくと、県ではなく、かつての『藩』の違いで色濃く残されています。シジシージャパンが志向するコーペラティブ(共同の)・チェーンは、そんな食文化を大事にしています。その地域に住む生活者が最も便利に感じたり、嗜好的に合うものを提供していく。最も身体に良いものはその地域で採れる産物を食べる、つまり『身土不二(しんどふじ)』の考えですね。
- 食文化の継承だけでなく、地域貢献をしていることもシジシージャパンの強みといえます。
各地域での行事、催事に積極的に参加したり、CGCグループが協賛する全国児童画コンクール(主催:毎日新聞社)で毎年37万点前後の作品を集めるなど、社会貢献活動に一役買っています。日本のローカル・スーパーというのは、こうしたことを心掛けていくべきだと思います。それが地域に根ざしたスーパーマーケットの店長の役割でしょう。地域に根ざすCGCグループだからこそできることです。
- 地域に根ざすことで生活者に提供できることは増えていきますか?
はい。たとえば、食育。CGCグループの加盟スーパーマーケットは、とても前向きです。親子を生産の現場にお連れし、ニンジン、ジャガイモ、稲など収穫していただき、それを素材に料理を作って味わってもらう。どの企画もたいへん好評です。その地域に根ざしたスーパーマーケットが行うからこそできる取り組みです。
- 協業組織というスタイルでできることも聞かせてください。
商品をとってみれば、海外商品の調達、プライベート商品の開発、メーカー商品の納価引き下げなど、CGCグループの全国規模を活かして、1社ではできないことを実現できます。それは、物流やシステムをはじめ、様々な分野に及んでます。その一方で、地域に根差した1社1社の個性を発揮できるわけです。各社が抱える課題も、全国の仲間が持つ知恵で解決できます。それが、大手流通チェーンには真似ができない組織であると自信をもって言えます。

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